この2年ほどで、日本の上場企業は内需系も含め、海外特にアジア展開を積極化させている。国内市場はもはや高い成長は見込めないので、これは当然の流れだろう。
そうした中、内需系の最大セクターである金融、特に保険会社はどうか。損保はこの1年で合併を繰り返してきたが、1+1が本当に2以上になるのか?と疑わせるような、内−内合併で、統合・シナジーの出し方も相変わらずのスローペースで、あまり投資家にとっての買い材料とはなっていないように見える。
思えば金融危機・リーマン破綻後の二年間は、長期的に見て、海外買収の「百年に一度の」好機だったように思う。これを生かして、安値で成長を買えた日本の金融機関は数えるほどしかない。Nomuraは代表例で、うまくやったといえるだろう。MUFJは、MSの東京事業などとの統合にさえ時間を食っている始末であるが、なぜ、たとえばRBSが英国公的資金注入の結果手放さざるを得なくなったアジアの法人事業、これを買わなかったのだろうか。モルガンの東京事業などよりも、ずっと良いと私などは思うのだが。
保険会社、特に自動車保険市場縮小の補完が死活的な損保は、AIGが手放さざるを得なくなったAIA(アジア損保事業)に入札したのだろうか?あまりバリューのない内向きの統合に追われて、オファーを出し渋ったのだとしたらいただけない。それとも、価格面で手が出せなかったのだろうか(買収した英国Prudentialが、高値でつかんだと、現地では批判の声もある)。ALICOは結局IPOのようだし、INGが手放したアジアPrivate bankingはOCBCが(これも高値で)もっていった。もっとも後者については、あまり日本の金融機関の得意分野ではないが。
経営は百年の計である。近視眼的なコスト意識、デフレ根性とペシミズムが、日本の金融機関の入札戦略を誤らせ、出し渋らせたのだとしたら、残念である。繰り返すが百年に一度のチャンスだったのである。アングロ金融帝国が崩壊し、その結果アジアを撤退縮小する中で、ジャパンがアジアを拡大させる、というシナリオである。もう遅いのかもしれない。
そうした中、内需系の最大セクターである金融、特に保険会社はどうか。損保はこの1年で合併を繰り返してきたが、1+1が本当に2以上になるのか?と疑わせるような、内−内合併で、統合・シナジーの出し方も相変わらずのスローペースで、あまり投資家にとっての買い材料とはなっていないように見える。
思えば金融危機・リーマン破綻後の二年間は、長期的に見て、海外買収の「百年に一度の」好機だったように思う。これを生かして、安値で成長を買えた日本の金融機関は数えるほどしかない。Nomuraは代表例で、うまくやったといえるだろう。MUFJは、MSの東京事業などとの統合にさえ時間を食っている始末であるが、なぜ、たとえばRBSが英国公的資金注入の結果手放さざるを得なくなったアジアの法人事業、これを買わなかったのだろうか。モルガンの東京事業などよりも、ずっと良いと私などは思うのだが。
保険会社、特に自動車保険市場縮小の補完が死活的な損保は、AIGが手放さざるを得なくなったAIA(アジア損保事業)に入札したのだろうか?あまりバリューのない内向きの統合に追われて、オファーを出し渋ったのだとしたらいただけない。それとも、価格面で手が出せなかったのだろうか(買収した英国Prudentialが、高値でつかんだと、現地では批判の声もある)。ALICOは結局IPOのようだし、INGが手放したアジアPrivate bankingはOCBCが(これも高値で)もっていった。もっとも後者については、あまり日本の金融機関の得意分野ではないが。
経営は百年の計である。近視眼的なコスト意識、デフレ根性とペシミズムが、日本の金融機関の入札戦略を誤らせ、出し渋らせたのだとしたら、残念である。繰り返すが百年に一度のチャンスだったのである。アングロ金融帝国が崩壊し、その結果アジアを撤退縮小する中で、ジャパンがアジアを拡大させる、というシナリオである。もう遅いのかもしれない。